AGPケースレポートVol.12

症例内容

フラッシュグルコースモニタリングを日々の血糖コントロールに活用する2型糖尿病患者の一例

症例提供・監修:
南昌江内科クリニック 院長
南 昌江先生

患者背景

性別・年齢 男性、66歳
診断 2型糖尿病、糖尿病歴23年
既往 虚血性心疾患(PCI施行)
合併症 高血圧、脂質代謝異常症、睡眠時無呼吸症候群
HbA1c 7.0%
糖尿病治療状況 インスリンデグルデク・アスパルト配合溶解製剤:夕食前18単位、グリメピリド0.5mg(朝)
その他 シンバスタチン(高脂血症治療薬)、テルミサルタン・アムロジピン配合錠(高血圧治療薬)を夕方に服用。メトホルミンで下痢、DPP-4阻害薬およびレバグリニドで薬疹の副作用あり
フラッシュグルコースモニタリングを行なう目的
  1. インスリン・薬物治療が適正かを確認するため
  2. 運動時や前後の血糖トレンド(変動)の観察と食後血糖管理

初回評価データ

日内パターン

2017年12月4日-2018年1月9日(37日)

レポートから得られた知見

  1. 低グルコースのリスクはありますか?
    インスリンおよび少量のSU薬を使用しているが、現時点でリスクはない。
  2. グルコース値は目標範囲内にありますか?
    いいえ。特に朝食後・昼食後の血糖上昇が大きい。
  3. グルコース値の日内変動はありますか?
    ある。運動しない日の血糖上昇が大きい。
  4. グルコース値の日差変動はありますか?
    ある。運動する日としない日の差が大きい。

確認すべき事項と次のステップ

確認すべき事項 次のステップ
低血糖に関する事項
  • 運動時のインスリン調整
  • 運動した日の夜間低血糖の有無
  • 運動時とその日の夜間のインスリンの調整や補食
目標範囲に対するコントロール状況に関する事項
  • 食後血糖管理
  • 食事の内容
  • 朝と昼の上昇を踏まえて超速効型インスリンを導入する
日内変動に関する事項
  • 朝食後・昼食後の血糖上昇
  • 朝と昼の上昇を踏まえて超速効型インスリンを導入する
日差変動に関する事項
  • 運動する日としない日の食後血糖に差がある
  • 運動の有無による血糖変動の違いに着目するように指導

治療内容の変更(AGPレポート解析の結果から)

  • 夜間血糖は安定しているが、朝食後、昼食後の血糖変動(上昇)が大きい。
  • 本人からの聞き取りと日別のレポートを照らし合わせることによって、マラソンやゴルフなど運動した日の血糖上昇は大きくないが、運動しない日は顕著に上昇することが確認できたため、インスリンを夕食時1回(配合溶解製剤)から、各食前に超速効型+持効型溶解インスリンの4回法に変更した。
  • 併せて、フラッシュグルコースモニタリングで日々の活動(運動・食事内容)と血糖変動の関係性について注目するように話をした。

初回評価から1か月後

日内パターン

2018年1月9日-2018年2月6日(29日)

治療内容変更後の状況-1(AGPレポート解析の結果など)

  • 朝・昼に超速効型インスリンを追加しグリメピリドを中止した。
  • 食後のグルコース値は高値傾向があるが、目標範囲上限(180mg/dL)を超える割合は47%から27%と大きく減少した。
  • AGPレポートにより血糖トレンド(変動)を可視化することで、食事の内容に注意ができるようになった。(炭水化物に頼らないようにするなど)
  • フルマラソンに参加するなど運動に対する意識が高い患者さんであるため、血糖変動に対する運動の重要性を再認識するとともに、日々の生活における血糖コントロールにフラッシュグルコースモニタリングの継続的な活用を希望された。

朝食前にランニングをした日

運動をしなかった日

初回評価から1年後

日内パターン

2018年11月23日-2018年12月20日(28日)

初回評価からの1年後の知見

  1. 低グルコースのリスクはありますか?
    目標範囲の下限設定を100mg/dLから80mg/dLに変更して評価を行っているが、昼食前や夕食前に低い時はあるものの、低血糖はない。
  2. グルコース値は目標範囲内にありますか?
    完全ではないが、おおむね目標範囲に近づいている
  3. グルコース値の日内変動はありますか?
    日内の変動はかなり平坦化されている。夜間も概ね目標範囲内にある。
  4. グルコース値の日差変動はありますか?
    食事内容によっていまだやや高めの時があるが、変動幅は小さくなっている。

治療内容変更後の状況-2(AGPレポート解析の結果など)

  • AGPレポートにより患者さんが血糖トレンド(変動)を可視化できるので、食事の内容や運動によって大きく異なることが理解できた。特に運動をしない日が続くことで、より食後血糖が上昇することがわかった。
  • 初回評価時には目標範囲を超える割合が47%であったが、1年後には23%になった。低血糖のリスクも少ないことから血糖プロファイル全体の変動幅も改善していることが伺える。
  • 現在はイスリン4回法によりコントロールしているが、食事や運動療法も重要であることを理解していただき、モチベーションを維持されている。食事量に応じたインスリン調整は体重増加を伴う可能性があることも理解されており、インスリン量の増量なく良好な血糖コントロールを継続できている。

注意事項
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