AGPケースレポートVol.14

症例内容

フラッシュグルコースモニタリングによって患者の生活パターンを察知し、治療変更が奏功した2型糖尿病患者の一例

症例提供・監修:
岩手医科大学 内科学講座 糖尿病・代謝・内分泌内科分野 助教
長澤 幹先生

患者背景

性別・年齢 男性、70歳
診断 2型糖尿病、糖尿病歴4年 網膜症なし、腎症1期
HbA1c 7.8%
糖尿病治療状況 リナグリプチン5mg(朝食前)、ミチグリニド/ボグリボース配合錠(各食前)、インスリングラルギン(0-0-0-3)で加療し ていた。HbA1c7%前後で推移していたが、仕事が多忙となり血糖コントロールが悪化していた。
フラッシュグルコースモニタリングを行なう目的 多忙な状況が血糖コントロールのどの部分の悪化につながっているのかを確かめるため。

治療介入前

日内パターン

2019年5月16日-2019年5月29日(14日)

この時点での治療状況
リナグリプチン5mg、ミチグリニド/ボグリボース配合錠、インスリングラルギン(0-0-0-3)

レポートから得られた知見

  1. 低グルコースのリスクはありますか?
    現時点ではほぼ低グルコースのリスクはなし。
  2. グルコース値は目標範囲内にありますか?
    まれに目標範囲内に入るが24時間を通して中央値曲線は140mg/dL以上で推移。
  3. グルコース値の日内変動はありますか?
    昼食後の血糖上昇後、下降せず就寝前はさらに上昇している。
  4. グルコース値の日差変動はありますか?
    昼食後から深夜にかけて10-90パーセンタイルの増大傾向が見られる。

確認すべき事項と次のステップ

確認すべき事項 次のステップ
低血糖リスクに関する事項
  • 現時点ではなし
  • 現時点ではなし
目標範囲に対するコントロール状況に関する事項
  • インスリンおよび服薬のアドヒアランスは良好か
  • インスリン投与量、タイミングおよび種類の変更の承諾
日内変動に関する事項
  • 昼食の摂取内容が他の食事と異なるか
  • インスリンおよび服薬のアドヒアランスは良好か
  • 昼食がどんぶりや麺類が多かった
    →昼食内容の変更は可能か
日差変動に関する事項
  • 休みの日の測定回数が少ない
  • 休みの日は血糖変動が異なるか把握してもらう

治療内容の変更(AGPレポート解析の結果から)

  • まずは昼食の食事内容を変更し、バランス良く摂取していただくことを提案したが困難であったため、昼食後の血糖上昇を抑えるため、また、全体を低下させるためにインスリングラルギン(0-0-0-3)の就寝前投与から、インスリンデグルデク/インスリンアスパルト配合剤(0-6-0-0)と昼食前投与にインスリンの種類および投与量を変更した。

治療介入1か月経過後

日内パターン

2019年6月12日-2019年6月26日(15日)

この時点での治療状況
リナグリプチン5mg、ミチグリニド/ボグリボース配合錠、インスリンデグルデク/インスリンアスパルト配合剤(0-6-0-0)

治療介入1か月経過後の知見

  • 低グルコースのリスクはありますか?
    頻度は低いが深夜~早朝にかけて見られることもある。
  • グルコース値は目標範囲内にありますか?
    か月前より明らかに低下し、昼食後と夕食後以外は目標範囲内におさまることが多くなった。
  • グルコース値の日内変動はありますか?
    か月前に比べて明らかに小さくなった。
  • グルコース値の日差変動はありますか?
    動量や休日であるかどうかによって多少変動あり。

治療内容変更後の状況-1(AGPレポート解析の結果など)

  • ご本人も明らかに血糖コントロールが改善していることを実感し、以前より積極的に測定を行うようになり、データが欠損している時間が減少した。今後はより正確な生活状況の把握を行い、低血糖を避けるためにインスリン量の減量、あるいは仕事の日と勤務日のインスリン量の調整などを検討していく方針。

治療介入2か月経過後

日内パターン

2019年6月27日-2019年7月24日(28日)

この時点での治療状況
リナグリプチン5mg、ミチグリニド/ボグリボース配合錠、インスリンデグルデク/インスリンアスパルト配合剤(0-6-0-0)

治療介入2か月経過後の知見

  • 低グルコースのリスクはありますか?
    頻度は少ないがやはり深夜から早朝を中心に散見される。
  • グルコース値は目標範囲内にありますか?
    概ね目標範囲内にあり。

休日の一例:ほぼ1日を通し平坦であり、低血糖は見られない。

  • グルコース値の日内変動はありますか?
    それほど大きくはないが、仕事、食事内容によって大きい日もある。
  • グルコース値の日差変動はありますか?
    下記に示すように生活パターンにより日差変動が見られる。

勤務日の一例:夜間の低血糖および昼食後の血糖上昇が見られる。

治療内容変更後の状況-2(AGPレポート解析の結果など)

  • 夏場に入り、勤務日の昼食が冷たい麺類中心になっており、昼食後の血糖値は上昇傾向であった。また、前日の活動量が多い日は翌日の深夜に低血糖を呈する日もあった。低血糖回避を優先するためインスリンアスパルト配合剤を6単位から5単位に減量し、昼食時に急峻な血糖上昇を避けるため、麺類単品にならないように指導した。患者がAGPグラフ(日内パターン)を見て自身の行動、食事内容や仕事量が血糖変動に深くかかわっていることを自覚した結果、治療に対する意識が高まってきたことを強く感じている。

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