AGPケースレポートVol.8

症例内容

入院時AGPで強化インスリン療法を開始し、退院後の自己管理にフラッシュグルコースモニタリングを活用した高齢者1型糖尿病症例

症例提供・監修:
自治医科大学附属さいたま医療センター
内分泌代謝科 教授
原 一雄先生

患者背景

性別・年齢 女性、73歳
診断 1型糖尿病、糖尿病歴1年未満 脂質異常症
HbA1c 9.3%
糖尿病治療状況 口渇・多飲・多尿を訴え来院、ケトーシスを来し内因性インスリン分泌低下等から1型糖尿病と診断。
入院後強化インスリン療法を開始。持効型溶解インスリン12単位/日、超速効型インスリン15単位/日(7-3-5)まで増量。
ADLおよび認知機能は保たれている。
フラッシュグルコースモニタリングを行なう目的 夜間低血糖リスクの評価を行いインスリン投与量を調整し、高齢者糖尿病にも求められる血糖コントロールを達成するため。
その他特記事項 当院紹介時はスタチン内服のみで糖尿病治療薬は投薬されていなかった。

治療介入前

日内パターン

2018年5月30日-2018年6月12日(14日)

レポートから得られた知見

  1. 低グルコースのリスクはありますか?
    午前0時から6時の間で低グルコースのリスクが高い。
  2. グルコース値は目標範囲内にありますか?
    全体的にグルコースレベルが目標範囲を上回り、特に食後高血糖を認める。
  3. グルコース値の日内変動はありますか?
    午前4時頃グルコースの最低値を認め、その後急上昇し、食後高血糖も見られる。日内変動を認める。
  4. グルコース値の日差変動はありますか?
    入院してインスリン投与量を増量し血糖コントロールは改善してきていることから、日差変動は1日を通して大きいが、特に午前3時頃と毎食後の日差変動は大きい。

確認すべき事項と次のステップ

確認すべき事項 次のステップ
低血糖に関する事項
  • 指示されたインスリン量を打っているか。
  • 食事を完食したか、運動量が増えていないか。
  • 朝起床時の低血糖症状や悪夢の有無。
  • 注射手技を看護師が確認する。
  • 食事の摂取割合や身体活動量を確認する。
  • 低血糖について教育し、低血糖症状がなかったか頻回に聞き取りをする。
目標範囲に対するコントロール状況に関する事項
  • 責任インスリンが過不足ないかインスリン投与単位について確認。
  • 間食はしていないか。
  • 責任インスリンの考え方によるインスリン投与量の調整。
  • 管理栄養士を含む多職種で食事・運動療法・インスリン自己注射について教育する。
日内変動に関する事項
  • インスリンが正しく自己注射できているか(超速効型インスリンは食直前に打っているか)。
  • 注射手技を看護師が確認する。
日差変動に関する事項
  • インスリンが正しく自己注射できているか(少しずつずらして打っているか)。
  • 食事を完食したか、外出などで運動量が変化していないか。
  • 注射手技を看護師が確認する。
  • 食事の摂取割合や身体活動量を確認する。

治療内容の変更(レポート解析の結果から)

  • 持効型溶解インスリン12単位/日から6単位/日まで減量した。
  • 退院後もFreeStyleリブレによるグルコースモニタリングと食事内容・運動量の記録を行うように指導し1か月後に外来で確認することとした。

治療介入後

日内パターン

2018年7月7日-2018年8月3日(28日)

治療介入後の知見

  1. 低グルコースのリスクはありますか?
    夜間を含め1日を通して低グルコースのリスクが低減している。
  2. グルコース値は目標範囲内にありますか?
    まだ高い時間帯が多いが、目標範囲内にある時間帯が25%から36%と増えてきている。
  3. グルコース値の日内変動はありますか?
    入院中と比較して全体的にグルコース値の日内変動は小さくなり、昼食後高グルコースが残るのみになった。
  4. グルコース値の日差変動はありますか?
    昼食後のグルコース値に日差変動が残るだけになった。

今後の治療内容変更(レポート解析の結果から)

  • FreeStyleリブレによるグルコースモニタリングと食事内容・運動量の記録から血糖変動についての意識が高くなり、日に15回前後のモニタリングを継続している。
  • AGP評価から持効型溶解インスリンを減量したところ夜間の低血糖が見られなくなった。
  • 日内変動・日差変動も改善が見られ、重症低血糖が危惧される薬剤を使用中の高齢者糖尿病に求められる血糖コントロール目標(HbA1c値)である7.5%未満に向かって改善していることが分かった。
  • 昼食後の高血糖がまだ残っているので、簡便なカーボカウントの考え方も指導して、日内変動・日差変動の改善に努めていく。

注意事項
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