AGPケースレポートVol.9

症例内容

食後血糖の管理がコントロールの改善につながった2型糖尿病の一例

症例提供・監修:
岡山大学大学院
腎・免疫・内分泌代謝内科学 教授
和田 淳先生

患者背景

性別・年齢 女性、65歳
診断 2型糖尿病、糖尿病歴18年、脂質異常症、糖尿病性腎症第2期
HbA1c 9.2%
糖尿病治療状況 ロスバスタチン(高脂血症治療薬)2.5mg/日(夕食後)、ダパグリフロジン(SGLT2阻害薬)10mg/日(朝食後)、デグルデク(持効型溶解インスリン)10単位/日(夕食直前)、リラグルチド(GLP-1受容体作動薬)0.9mg/日(夕食直前)
フラッシュグルコースモニタリングを行なう目的 百貨店に朝から夕方まで勤務しており、顧客の対応のため、昼食の時間が不規則であり、急いで食べたり、逆に食べられなかったりすることがある。
そのため帰宅してからの夕食はたくさん食べてしまう。
その他特記事項 教育入院してからグルリジン6単位(夕食直前)、14単位(昼食直前)、10単位(夕食直前)、グラルギン夕(食直前)の自己注射をしていたが、勤務が忙しく昼食直前のグルリジン投与ができず、デグルデクとリラグルチドの併用となった。

治療介入前

日内パターン

2017年12月20日-2018年1月31日(43日)

レポートから得られた知見

  1. 低グルコースのリスクはありますか?
    低グルコースのリスクはない。
  2. グルコース値は目標範囲内にありますか?
    朝食前や夕食前を除いてグルコースプロファイルが全体的に目標を上回っている。
  3. グルコース値の日内変動はありますか?
    中央値曲線が昼食後13時以降と夕食後21時以降に目標値を大きく上回っている。
  4. グルコース値の日差変動はありますか?
    昼食後13時以降と夕食後21時以降から深夜にかけて、25~75パーセンタイルの幅が広く、昼食や夕食の食べ方や内容に問題があることがうかがわれる。

確認すべき事項と次のステップ

確認すべき事項 次のステップ
低血糖に関する事項
  • 現時点では低血糖のリスクは低い。
  • SU薬は使用していない。
  • 低血糖のリスクはなく、SGLT2阻害薬を継続する。
目標範囲に対するコントロール状況に関する事項
  • 昼食や夕食の内容や食べ方について見直しが必要。
  • 食後の血糖管理は現行の治療では不十分であるが、超速効型インスリンは打ちたくない。
  • 昼食はおにぎりだけのことが多かったが、副菜や野菜が入ったお弁当にするように指導した。
  • 昼食は余裕をもって慌てて食べないように指導した。
  • 夕食はバランスよく食べているが摂取エネルギーをチェックして食べ過ぎないように指導した。
日内変動に関する事項
  • 持効型溶解インスリンとSGLT2阻害薬で血糖値を全体的に低下させている。
  • 食後の血糖はGLP-1受容体作動薬でコントロールしているが現時点では不十分。
  • 超速効型インスリンの再開は希望されなかったので、ミチグリニド・ボグリボース配合錠を開始した。
  • 食事マークを記録するように指導した。
日差変動に関する事項
  • 勤務日と休日の食事の時間とその内容を記載し、血糖変動の違いを把握していただく。
  • 勤務時の昼食後、夕食後の血糖上昇が大きく、フラッシュグルコースモニタリングを使用することでその差を確認するように指導した。

治療内容の変更(レポート解析の結果から)

  • 勤務日の昼食後、夕食後の血糖上昇が明らかとなったので、昼食の内容を再検討した。
  • 昼食はおにぎりなど糖質に偏りがちだったので、野菜やお肉、お魚も摂取していだくように指導した。
    さらに夕食は食事量が多くなりがちだったので、是正していただいた。
  • 超速効型インスリンの使用は望まれなかったので、ミチグリニド・ボグリボース配合錠を併用した。

治療介入後

日内パターン

2018年7月4日-2018年8月22日(50日)

治療介入後の知見

  1. 低グルコースのリスクはありますか?
    朝・昼・夕食前に低グルコースになることがある。
  2. グルコース値は目標範囲内にありますか?
    まだ昼食後、夕食後の高血糖があるが、目標範囲内のグルコース値が増加した。
  3. グルコース値の日内変動はありますか?
    中央値曲線はまだ昼食後、夕食後の上昇があるが、かなり平坦となった。
  4. グルコース値の日差変動はありますか?
    食後の時間帯の25~75パーセンタイルの幅および10~90パーセンタイルの幅が減少した。

今後の治療内容変更(レポート解析の結果から)

  • 百貨店の勤務のため、昼食の時間が不規則で、かつ短時間であった。また血糖測定やインスリン注射もできない状態であったが、フラッシュグルコースモニタリングの使用により食後の高血糖を自覚することによって、食事内容の改善への意欲が高まった。
  • 昼食の内容の改善や、夕食のエネルギー摂取量の改善によって食後の高血糖が著明に改善した。また食後高血糖の存在からミチグリニド・ボグリボース配合錠を併用し、よりよい血糖コントロールにつながった。

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